2016/03/27

拘縮肩症例関節包の伸張性が肩ROMに与える影響

本研究では、造影剤を用いてX線画像を撮影し、関節包の大きさを計測しています。

本研究の結果から、

関節包の大きさと関節可動域の相関の結果から、関節可動域(屈曲,外転,下垂位外旋,外転位外旋,外転位内旋および CTD)に相関しているのは inferiorpouchの大きさだけであることが分かり、anteriorpouchと posteriorpouchの大きさは関節可動域と相関していない。

拘縮症例では、inferiorpouchの大きさと外転角度、外転位外旋、CTDと相関がある。

ということが示されました。

肩関節運動と関節包の伸張性の関係と合わせて考えると、inferiorpouchでも「直下が外転」、「前下方が外転位外旋」、「後下方が結帯」の制限因子となっていることが推察されます。

本研究の結果は理学療法を行う上で、重要な示唆を与えてくれています。

私が以前CORSで発表した結帯動作と関連するGHJの可動域でも、外転、屈曲位内旋、伸展位内旋が相関しており、いずれもinferiorpouchとの関係が考えれました。

CORS2013ポスター
本研究の結果は、拘縮肩症例の外転位、外転位外旋、結帯の可動域を改善させる理学療法に反映させるべき知見です。

股関節前部痛に対する治療について講演してきました Mar 13, 2016 @ 大阪運動器リハビリテーション研究会


大阪運動器リハビリテーション研究会主催「股関節前部痛に対する機能解剖学的評価と治療」で講演してきました。

三倉一輝先生(城北整形外科)が股関節の骨の触診講義、永井教生先生(京都下鴨病院)が股関節周囲筋の触診講義をしてくださいました。

私はFAIに対する運動療法の考え方について講義させて頂きました。

実技講師として藤原信吾先生(宇治武田病院)、為沢一弘先生(京都下鴨病院)、團野翼先生(京都下鴨病院)の3名にもお手伝い頂きました。


受講者37名、講師6名、スタッフ7名、総勢50名で股関節の機能解剖学に基づいた股関節周囲の触診と股関節前部痛について学びました。

受講者からは機能解剖学、触診技術、病態解釈、そして患者治療に対する情熱の大切さが伝わる内容だったと高評を頂きました。

私にとって一番大切な仕事は「患者さんの治療」ですが、今回のような活動も医療者としての使命と思っています。

All for a smile of patient... by OH!NO!DX


2016/03/20

肩関節周囲炎に対する運動療法の考え方 〜 エポック主催のセミナーで講演します


エポック主催のセミナーで「肩関節周囲炎に対する運動療法の考え方」について講演させて頂くことになりました。

肩関節周囲炎に対する運動療法で大切なことは、安静時痛・夜間痛・運動時痛を主体とする疼痛をいかに軽減させるかということと、拘縮による可動域制限の改善することの2点であると思います。

痛みがあり、硬くなっている関節を動かしていくことは容易なことではありません。

但し、病態を十分に理解し、炎症過程と解剖に即した理学療法を行うことで一定の治療成績を得ることができます。

肩関節周囲炎だけでなく、理学療法において「すぐに改善する」とか「5分で変化する」などといった「魔法」は存在し得ません。

確かに即時的に大幅に改善することを経験することは私自身もあります。患者さんからは「魔法みたい」とか「神の手」などとお褒めの言葉をいただくこともあります。

でもそれは「そういうことが可能であった病態」という、ただそれだけのことです。

すべての症例で「そういうことが可能」というわけではありません。同じ「拘縮肩」や「肩関節周囲炎」という診断名でもその病態や病期は様々です。

今回の講演では「肩関節周囲炎」における疼痛に対する理解と、肩関節の解剖についてなるべく詳細に解説した上で、できるだけ実技を行いたいと考えています。

Up-to-Dateした内容として、可動域改善に重要な肩甲帯と肩甲上腕関節に対するアプローチとDebyer-Patte変法という手術法の概念に基づく運動療法について説明します。本法の有効性については今年のICSET(国際肩肘療法士学会)で報告するトピックスです。

セミナーへのご参加はエポックホームページからお願い致します。
 http://seminar.ep-och.com/seminar/1817


2016/03/02

大阪運動器リハビリテーション研究会で講演させて頂きます


平成28年3月13日 日曜日に、大阪運動器リハビリテーション研究会で「股関節前部痛に対する機能解剖学的評価と治療〜股関節唇損傷における保存療法と関節鏡視下手術後療法の診かた」と題して実技講習会が開催されます。

講師は、小野志操、永井教生先生、三倉一輝先生、藤原信吾先生、為沢一弘先生、團野翼先生の6名です。

定員まで若干の余裕があるようです。

股関節周囲の骨・筋の触診から、治療実技に至るまで、丁寧に指導致します。

奮ってご参加ください。

詳細は大阪運動器リハビリテーション研究会ホームページより

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